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エル・タヒンの人々は、球戯場で神々の役

エル・タヒンの人々は、球戯場で神々の役を演じながら球戯をおこなうことによって神々と接触し、交流することができると考えていたようである。たとえば、腰の上部につけるための木製の見事な彫刻の刻まれた防具である「ヨーク(くびき)」は、しばしば地下世界に住む怪物を描いている場合があり地下世界の入り口、すなわち死の世界の入り口を象徴していると考えられ、「アチャ(斧)」は斬首された頭を表現し、「パルマ」は儀式における犠牲を表していると考えられていて、球戯には、神々の神聖さと自分たちの世界、世俗性、死という犠牲の代わりにもたらされる恵みといった二元的な観念が連続するものという思想があった。エル・タヒンをはじめとするメソアメリカの球戯は、基本的には球戯をおこなって片方のチームの球戯者をいけにえにささげることによって、神々のすむ世界と宇宙の秩序が維持され、それによってトウモロコシをはじめとする作物の収穫が保障され、そのことは同時に自分たちの繁栄に直結するものと受け止められていた。

興味深いのはタヒン・チコの宮殿Aは、中央部に建物を囲む二階建ての建物に囲まれているが、その正面には急であるために上ることが不可能な飾りの階段がある。その階段の真ん中はくりぬかれ、持ち送り式アーチになっており、ゆるやかな階段が設けられて一階部分に入れるようになっている。二階部分は四隅に『 』状に造られ、『 がそれぞれの向かい合う部分先端部分はゆるやかなスロープが設けられあたかもちいさな球戯場のようになっている。前述したゆるやかな階段は、その小さな「球戯場」の真下にくる仕組みになっている。その階段は、球戯を行った場合と同じように地下世界への通路の象徴になっていて、それを通ることが神々との交流を行う神聖な行為になるように造られているとかんがえられる。建造物4号で発見された銘板はもともと壁龕のピラミッドに伴うものであると推定され、王統の継承などの儀礼を行う際に、絡み合った蛇によって表されるゴールマーカーであるtlaxmalacatlなどさまざまな球戯のシンボルを用いたり、プルケ酒の甕を用いることが必要だったことを示している可能性がある。
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即位儀礼の様子と考えられるものは、断片的ではあるが北の球戯場の壁面パネルに刻まれ、球戯マーカーの前で王が即位する様子と推定されるものが描かれていると考えられる。時期的には古典期中期の様式と思われる。「円柱の館」 (Building of the Columms) [18]には古典期終末期の王が球戯場の床近くで身分の高い人物だったと思われる捕虜を犠牲に捧げている様子が描かれている。一つか二つくらいしか球戯場がない他のメソアメリカの都市とは異なり、エル・タヒンの球戯は、王権や宇宙観や宗教的なイデオロギーの中心的な役割をもっていたために、球戯場はエル・タヒンという都市自体の宗教や設計思想の中心的な位置をしめていた。

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2009年03月11日 14:45に投稿されたエントリーのページです。

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